「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

店長のスタンディングポジションとは、単に立つ場所の話ではありません。店内全体を見渡せる位置に立つことで、客席の空気、料理提供の流れ、スタッフ一人ひとりの動きまでを同時に把握できる、いわばお店の司令塔となる場所です。ここに立つことで、店長は現場の小さな異変や兆しをいち早く察知し、先回りした判断や指示ができるようになります。

お客様にとって、店長の姿が見えることは大きな安心感につながります。何か困ったことがあっても、すぐに気づいてもらえる、声をかけてもらえるという安心が、店舗全体の印象を大きく左右します。料理や接客のクオリティだけでなく、「ちゃんと見てもらえている店かどうか」は、無意識のうちに評価されています。

スタッフにとっても、スタンディングポジションに店長が立っていることは心理的な支えになります。忙しいピークタイムでも、見守られているという安心感が生まれ、判断に迷ったときにすぐ頼れる存在がいることで、余計な不安や萎縮が減ります。結果として、動きは早くなり、声掛けや連携もスムーズになります。

一方で、店長の姿が見えない店ではどうなるでしょうか。現場判断が遅れ、誰が決めるのか分からない時間が生まれます。スタッフは不安を抱えたまま仕事を続け、ミスやクレームの芽が放置されやすくなります。洗い場や事務所に入りっぱなしの店長がいる店舗ほど、現場の空気が重くなるのはこのためです。

スタンディングポジションは、管理や監視のための場所ではありません。安心と信頼を生み、現場を一つにまとめるための場所です。店長がそこに立つだけで、店全体の緊張感と一体感は大きく変わります。お店の空気をつくるのは、マニュアルでも仕組みでもなく、最終的には店長の立ち位置です。その場所に立ち続ける覚悟が、強い現場を育てていきます。