「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
棚卸し金額を一日平均売上、もしくは一日平均原価で割ることで在庫日数を算出できます。在庫日数とは、現在保有している在庫が何日分の売上、または原価に相当するかを示す指標で、原価管理と資金効率の両面を把握するうえで欠かせない数字です。感覚ではなく数式で在庫を捉えることで、店舗の経営状態は一気に見える化されます。
飲食店、とくに生鮮食材を多く扱い、回転率の高い業態では、在庫日数は2日未満が一つの実務基準とされています。在庫が増えすぎると、鮮度劣化による品質低下や廃棄ロスが発生しやすくなり、結果として原価率が悪化します。さらに在庫は現金が形を変えて眠っている状態でもあり、資金繰りの悪化にも直結します。売上は出ているのにキャッシュが残らない店舗は、この在庫日数が長くなっているケースが少なくありません。
一方で、在庫日数が短い店舗は、売れ筋を正確に把握し、仕入れ量を適正にコントロールできている証拠です。発注精度が高く、ロスが抑えられているため、原価も安定しやすくなります。もちろん、乾物や冷凍食材の比率が高い業態、高級食材を扱う店舗では2〜3日が許容される場合もあります。しかし重要なのは、自店にとっての基準を数値で定め、その基準からズレていないかを定期的に確認することです。
在庫日数は、店舗の原価管理レベルを一瞬で映し出す鏡のような数字です。棚卸しをして終わりではなく、売上データや原価データと必ず連動させ、日数として管理する。この習慣があるかどうかで、利益体質かどうかははっきり分かれます。日々の数字に向き合い、在庫日数をコントロールできる店舗ほど、原価もキャッシュも安定した強い経営が実現できます。
