「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

組織運営を始めると、多くの現場で最初に戸惑いが生まれるのが指示命令系統です。これまで社長が社員やアルバイト一人ひとりに直接指示や確認を行ってきた体制から、マネージャーを軸とした管理体制へ移行する局面では、必ず混乱が起こります。特に3店舗規模になると、従業員数は100名を超え、社長が全員を直接見ることは物理的にも不可能になります。

この段階での原則は明確です。社長が直接管理するのはマネージャーのみ。緊急時を除き、指示命令がマネージャーを飛び越えて現場に直接出ることはありません。これを曖昧にすると、現場は誰の指示を優先すべきか分からなくなり、マネージャーの権限と責任が形骸化していきます。

ただし、運営初期においては、日々のルーティンやKPIがまだ固まりきっておらず、結果として社長が現場に直接口を出さざるを得ない場面も出てきます。ここで重要なのは、飛び越えた指示を常態化させないことです。一時的な介入は必要でも、それを仕組みに落とし込まず放置すれば、組織はいつまでも属人的なままになります。

そのために欠かせないのが、マネージャーと毎月すり合わせる明確なKPIと、日々の行動・姿勢・信頼といった定性評価の両立です。数字だけを追えば現場は疲弊し、気合や根性論だけでは再現性が生まれません。定量と定性の両輪でマネージャーを評価し、期待役割を言語化して共有することが、指示命令系統を安定させる鍵となります。

人で組織を動かすのではなく、仕組みで動かす。その仕組みの中心にマネージャーを据え、社長はマネージャーを通じて現場を見る。この構造ができたとき、組織は初めて安定し、次の成長段階へ進む準備が整います。