「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

5&5とは、数十店舗を展開する飲食企業において、全店舗を対象に売上や利益、FLなどの指標から上位5店舗・下位5店舗を毎週抽出し、重点的に状況把握を行うアメリカ由来のマネジメント手法です。最大の特徴は、月次ではなく週次で見る点にあります。月次管理は結果確認には適していますが、兆しを捉えるには遅すぎるケースが多く、特に拡大期では判断の遅れが致命傷になります。5&5は、好調と不調の芽を早期に掴むための仕組みです。

上位5店舗の目的は称賛や優遇ではありません。なぜその店舗は数字が伸びているのか。立地や人材だけでなく、シフトの組み方、オペレーションの癖、店長の判断基準、チームの空気など、再現可能な勝ちパターンを構造として抽出することが本質です。偶然の好調ではなく、仕組みとして説明できる状態に落とし込めて初めて、全社展開が可能になります。

一方、下位5店舗も叱責や責任追及の対象ではありません。重要なのは、数字が落ちている原因を個人ではなく構造で捉えることです。人員不足なのか、ワースケ設計なのか、商圏とのズレなのか、ルール逸脱や報告遅延が起きていないか。週次で見ていれば、深刻化する前に手を打つことができます。これは閉店リスクを下げるための経営保険でもあります。

5&5が特に効果を発揮するのは、拡大期です。店舗数が増えるほど、全体平均は意味を持たなくなり、好調店と不調店の差が広がります。その差を放置すると、成長ではなく膨張になります。5&5は、成長と修正を同時に回すための仕組みです。

評価制度でも管理強化でもありません。現場で起きている事実を、早く、正しく、構造で捉えるための経営の目線づくりです。5&5を回せる会社は、数字が崩れる前に気づき、手を打てる組織へと進化していきます。