「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店の運営において、多くの社長が誤解しがちなポイントがあります。それは、「店長が頑張れば売上は上がる」という考え方です。しかし実際のところ、店長の努力だけで上げられる売上は前年対比の10〜15%ほどに過ぎません。半年経っても成果が伸びない場合、その原因は店長の努力不足ではなく、多くは“戦力不足”か“業態と人材のミスマッチ”によるものです。

たしかに店長は、QSCの安定や改善を通して客単価や満足度を高め、売上の下支えをすることができます。スタッフ育成、サービス品質、回転率改善など、店長が担う要素は売上成長に欠かせません。しかし、それだけで店舗売上の大部分を押し上げるのは不可能です。

実際に売上の大半を左右するのは、本部のブランディング戦略と新規集客施策です。
これは大手チェーンであっても、中小規模の企業であっても変わりません。

・地域に対する広告戦略
・SNSやGoogleを使った認知の拡大
・メニュー開発や商品力の強化
・店名、ファサード、コンセプトの磨き込み
・オファー設計や顧客導線の整備
・口コミ戦略
・キャンペーンやイベントの企画
・商圏分析と広報施策の設計

これらは店長が担う領域ではなく、本部が主体となるべき領域です。

それにもかかわらず、本部の施策が弱いまま「店長が売上を上げろ」と丸投げしてしまえば、成果が出るはずがありません。店長は“現場のリーダー”であって、“マーケティング戦略の担当者”ではないからです。

本部が仕組みと戦略をつくり、店長がその運用と現場改善を担う。
この役割分担があって初めて、店舗の売上は本質的に伸びていきます。

逆に言えば、本部が動けば売上は伸び、本部が動かなければ売上は伸びません。これが飲食業の構造的な事実です。

・ブランドを育てるのは本部
・新規客を呼ぶのも本部
・店長はその期待値を“再現する役割”

この連携ができたとき、店舗は初めて前年を超える強い成長カーブを描きます。

店長の頑張りに頼りすぎるのではなく、本部が「戦略で売上をつくる」という責任を持ち、現場と一体となって成長をつくることが不可欠です。