「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

ダクト・フード清掃は、飲食店における衛生管理と安全管理の中でも最も重要な業務のひとつです。特にラーメン店やグリル料理、焼肉店といった重飲食業態では、調理中に大量の油煙が発生し、その油分がダクト内部に付着していきます。放置すれば油は固形化し、排気機能の低下、異臭の発生、さらには火災事故につながるリスクが非常に高まります。こうした背景から、ダクト清掃は「毎日」が基本であり、飲食店の根幹を支える必須の習慣です。

重飲食業態の店舗では、一晩の営業だけでもダクト内部が油膜でべっとりと覆われることがあります。特に焼肉店では肉の脂が大量に燃焼し、油煙が勢いよく吸い込まれるため、清掃を怠れば翌朝には厚い油汚れとなって残ります。こうした蓄積は、排気効率の大幅な低下を引き起こし、厨房内の温度が上昇してスタッフの負担を増加させるだけでなく、煙が抜けにくくなることで店内環境にも悪影響を及ぼします。

清掃すべきポイントは、ダクト内部だけではありません。レンジフード、フィルター、グリスキャッチャーなど、油が付着する箇所は広範囲に及びます。毎日の簡易清掃では、フィルターやフード周りの油汚れを落とし、油が固まる前に取り除くことが大切です。そして、月に一度はプロ仕様の洗剤や高圧洗浄を使った徹底清掃を行い、内部の蓄積をゼロにリセットすることで、火災リスクを最小限に抑えることができます。

また、清潔なダクト環境は衛生・安全だけでなく、店舗運営にも大きなメリットをもたらします。排気効率が向上することで厨房内の温度が適正に保たれ、スタッフの作業効率が安定し、熱中症対策にもつながります。さらに、臭いや煙の問題が減少すれば、お客様が感じる快適性も向上し、リピート率にも良い影響を与えます。

飲食店にとってダクト清掃は、見えない部分だからこそ油断しやすい領域です。しかし、毎日の小さな積み重ねが大きな事故を防ぎ、店舗全体の品質を守ります。衛生面・安全面・作業環境のすべてを支える基盤として、ダクト清掃を「毎日当たり前に行う文化」を店舗全体で徹底していきましょう。