「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
ある企業では、不振店の基準を「3ヶ月連続で前年対比10%減、またはお客様総合評価3.5を下回る店舗」と明確に設定しています。このラインを超えた瞬間に、その店舗は「重要指導店舗」と扱われ、改善チームであるタスクフォースが即時に立ち上がります。タスクフォースには営業部長、エリアマネージャー、店長が参画し、営業部長は店長代行として現場の全権を握り、最速で改善に着手します。責任とスピードをもって現場改善を進める体制があるからこそ、企業全体の再生力が高まります。
不振店の改善は、感覚や場当たり的な対応では間に合いません。「どの状態になったら、不振とみなすのか」を数値で明確に定義しておくことで、曖昧な判断を排除し、改善の着手が遅れることを防ぎます。特に飲食業では、不振の兆候を見逃すと回復に倍以上の時間とコストがかかり、閉店リスクは急激に高まります。だからこそ、「不振の入口」を設定し、その基準に触れたら即改善へ舵を切る仕組みが必要です。
また、不振店の基準を低く設定すればするほど、組織全体の緊張感は高まります。たとえば「評価3.3を下回ったら要改善」といった厳しめの基準を設けることで、店長自身が日常的にレビューを行い、現場の小さな乱れにも敏感になり、改善スピードが格段に上がります。明確な基準は「危機感」をつくるだけでなく、「改善文化」を根付かせるための起点にもなります。
さらに、不振店の定義があることで、人材育成にも好循環が生まれます。エリアマネージャーは不振の兆候を早期に察知する洞察力が磨かれ、店長は予防のためにQSCや数値管理により丁寧に向き合うようになります。改善の仕組みが整っている企業は、現場の変化に強く、離職や売上減少といったリスクを最小限に抑えることができます。
店舗の不振は突然起きるものではなく、小さなズレの積み重ねから始まります。その入口をどこに設定するかで、企業の未来は大きく変わります。不振店の定義を明確にし、その基準に基づいて即行動する体制をつくることが、持続的に成長する組織へと導く最も重要な仕組みと言えるでしょう。
