「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
かつて飲食店では、販売促進費は売上の1%未満が当たり前とされていました。まだ情報量が限られていた時代は、食べログなどのグルメサイトに掲載するだけで十分な集客効果があり、いわゆるプル型の集客が主流でした。しかし現在は、SNSの普及により情報があふれ、ただ掲載して待つだけではお客様の目に触れない時代になっています。受け身の集客では埋もれてしまい、自店の魅力を伝えることが難しくなりました。
そのため、市場は大きく変化し、プッシュ型の販売促進が不可欠となっています。InstagramやTikTokでの投稿、YouTubeショート動画、Xでの発信、インフルエンサーの来店企画など、店舗側から積極的に情報を届ける取り組みが必須となりつつあります。特に、写真だけでなく「ストーリー性のある動画」がトレンドになり、料理の魅せ方、店内の雰囲気、スタッフのキャラクターがそのまま集客力につながるようになりました。
こうしたプッシュ型の販促は、以前のように少額で完結するものではなくなり、それなりの投資が必要です。現在では、売上の3〜5%を販促に投下できている店舗ほど認知を獲得し、検索数が増え、来店動機をつくれるようになっています。販促費をコストではなく投資として捉え、毎月の予算に組み込むことが、集客の安定とブランド成長につながります。
また、プッシュ型集客には店舗側の継続力が問われます。一度バズっても、投稿の頻度が落ちればすぐに忘れられてしまうため、毎日の記録やスタッフの日常、限定メニューの紹介など、途切れない情報発信が重要です。お客様との関係性を育てる場としてSNSを活用することで、ファン化が進み、リピートにも直結します。
時代は明らかに「待つ集客」から「仕掛ける集客」へと移りました。だからこそ、販促費の概念をアップデートし、積極的な投資と継続的な発信を行うことが、これからの飲食店経営における勝ち筋となります。
