「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
FIFOの原則とは、「First In, First Out(先入れ先出し)」の略で、在庫管理の最も基本的かつ重要な考え方です。先に仕入れた商品から順に使用・販売していくことで、古い在庫が残り、品質劣化や賞味期限切れを起こすことを防ぎます。特に飲食店では、このFIFOを徹底できるかどうかが、鮮度・衛生・原価・利益すべての安定に直結します。
現場でありがちなミスは、「新しい食材を前に置き、古い在庫が奥で眠る」という状態です。こうなると古い在庫が使われず、やがて廃棄となり、ロス率が上昇します。たった1%のロスでも、年間で数十万円の原価増につながることを考えると、FIFOの徹底はコストコントロールの最前線といえます。
具体的な運用としては、冷蔵庫・冷凍庫・ストッカー・調味料棚など、すべての保管スペースで**「新しいものを奥、古いものを手前」**に配置することです。納品時に日付をラベルで明記し、古い順に並べるだけでも劇的に効果が出ます。さらに、日々の仕込み時にスタッフが「いつ仕入れた食材か」を意識して使用する習慣をつけることで、在庫循環が自然に整います。
FIFOの目的は単なる在庫の消化順管理ではなく、「鮮度管理」と「原価安定」を両立させる仕組みづくりにあります。この原則を全スタッフが理解し、誰が作業しても同じ循環が保たれる状態をつくることが理想です。
飲食店における経営の土台は「正しい在庫管理」にあります。FIFOを守ることは、ロス削減・品質維持・利益確保のすべてに通じる最もシンプルで、最も効果的な原価管理手法です。
