「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
予算として掲げる売上・原価・人件費をさらに細分化し、より具体的な数値目標に落とし込んだものが「経営効率表」です。これは単なる数字の一覧ではなく、店舗経営のあらゆる要素をKPIとして体系化し、現場の行動を経営目標に直結させるための実践ツールです。
経営効率表には、客数・客単価・時間帯別売上・フード/ドリンク/宴会構成比・基礎在庫・人時売上・人時接客数・労働分配率など、30項目以上のデータが組み込まれます。これらの数値を定期的に記録・分析することで、売上や人件費だけを見ていては見落としがちな“改善の糸口”を発見できます。
たとえば、「人件費率25%を守れ」と指示されても、現場は具体的にどこを改善すればよいか判断できません。しかし経営効率表では、各数値が連動しているため、「人時売上を上げるには客数を+3名/時」「労働分配率を改善するには生産性を+10%」など、行動レベルまで落とし込んで改善策を導くことができます。つまり、現場が自ら数字を読み解き、改善の優先順位を判断できるようになるのです。
この仕組みを活かすためには、週次ミーティングを継続してPDCAを回している店舗ほど効果が高まります。約1年間、週次で課題と改善を積み重ねてきた店舗には、経営効率表の導入を強くおすすめします。すでに「数字を見る文化」が根付き始めているため、この段階で効率表を運用すると、現場のマネジメント精度が飛躍的に向上します。
経営効率表は、店舗が「何を・どれだけ・いつまでに」達成すべきかを可視化し、行動の方向性を明確にする経営の羅針盤です。数字を“見る”から“動かす”へ──現場と経営をつなぐ最も実践的なマネジメント手法といえるでしょう。
