「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食業の魅力の一つは、20代という若さでも「店長」という立場を夢ではなく、現実として掴めることにあります。実力次第で責任あるポジションを任され、自分の采配がそのままお店の成果に反映される──これほどやりがいのある仕事はそう多くありません。

3店舗規模の飲食企業では、社長自らが現場を熟知し、1店舗1店舗をまるで我が子のように大切に育てています。その大切な店舗を、年商5千万から1億円の売上を担うオーナー代行として若い店長にバトンタッチする以上、単なる現場作業員として終わらせてはいけません。店長は「作業をこなす人」ではなく、「チームを導き、数字で結果を出す経営者の分身」でなければならないのです。

だからこそ、店長教育では心構えからマネジメントまでを体系的に教えることが必要です。売上・原価・人件費などの数字に責任を持つ経営の視点、スタッフをまとめチームとして動かすリーダーシップ、そして顧客満足と社員満足を両立させるバランス感覚──これらを早い段階で学ばせることが、将来の成長を大きく左右します。

また、若い店長ほど「現場中心」になりがちですが、店舗運営の先には「経営」があることを理解させることが大切です。お客様の笑顔の裏には数字があり、数字の改善の裏にはチームの努力がある。その循環をつくれるようになってこそ、真の店長と言えます。

社長が若い店長に期待を込めてバトンを渡すとき、それは「次の10年を託す」というメッセージでもあります。現場の技術だけでなく、経営者の視点と責任感を持ったリーダーを育てる──それが、これからの飲食企業が成長し続けるための最大の使命です。