「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店では、従業員の始業や終業時間がバラバラであるため「朝礼や夕礼は意味がない」と考える人も少なくありません。しかし、そもそもの目的は全員が一度に集まることではなく、各シフトのスタート時点で意思統一を図ることにあります。

たとえば朝礼では、その日の売上目標や重点項目を共有し、「今日は何に力を入れるのか」を明確にします。さらにシフト前のチェックで服装や身だしなみを整えることは、スタッフ一人ひとりの意識を引き締める効果があります。短時間でもこの確認を行うことで、その日の営業に向けて心構えが整い、現場のスタートがスムーズになります。

一方、夕礼では営業を振り返り、良かった点や改善点をその場で確認します。成功事例を共有することで次の日にすぐ活かすことができ、改善点を指摘することで翌日の行動が変わります。短い時間であっても「今日やったことを明日にどうつなげるか」を確認することは、現場改善のスピードを格段に高めます。

このように、朝礼・夕礼は長時間である必要もなければ、全員が一堂に会する必要もありません。大切なのは「情報と意識を揃える」という目的を果たすことです。結果として、スタッフがバラバラに動くのではなく、店舗全体として同じ方向を向けるようになり、サービスの一貫性が高まります。それはQSCの安定にもつながり、人材育成の効果も上がります。

つまり、朝礼・夕礼は単なる形式的な儀式ではなく、現場に「」をつくる重要な習慣なのです。