「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店経営において最も大きなコストは原価です。この原価をわずか1%改善するだけでも、利益に大きなインパクトを与えることができます。日々の仕入れやロス削減といった基本的な取り組みももちろん重要ですが、年商が10億円を超える規模になった段階では、商流や物流そのものを根本から見直すことで、より本質的な改善が可能になります。
通常、問屋には3つの価格帯が存在し、多くの飲食店は最も高い価格帯で仕入れているのが現実です。規模が小さいうちは致し方ない部分もありますが、店舗数が増え、購買量が拡大すれば、価格交渉力を高めるだけでなく、物流の仕組みそのものを自ら設計し直す必要が出てきます。
なぜなら、問屋側から極端に有利な提案が出てくることはほとんどありません。取引先任せにしている限り、最適化されたコスト構造には到達できないのです。だからこそ、自社で適正な価格の基準を理解し、共同購買や一括物流などの仕組みを構築することで、主体的に原価対策を進めることが不可欠となります。
これは、まさに「10億の壁」を超えた飲食企業が最初に手にできる特権といえます。規模の拡大は単なる売上の増加ではなく、仕組みそのものを変える力をもたらします。その力を活かして商流と物流を最適化すれば、原価率は確実に下がり、利益体質は大きく強化されます。
つまり、原価改善とは単なるコスト削減ではなく、成長企業にとって次のステージへ進むための戦略的な投資であり、持続的な競争優位を築くカギとなるのです。
