「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
飲食店経営において、離職率の高さは大きな課題のひとつです。特にアルバイトやパートスタッフが中心となる現場では、人材が定着しなければサービスの質が安定せず、育成コストも膨らみます。しかし、一方で離職率が低く、多くのスタッフが長く働き続けるお店も存在します。そうしたお店には、いくつかの共通した特徴があります。
第一に、毎日の朝礼や夕礼を欠かさず行っていることです。わずか数分の時間でも、その日の目標や注意点を共有し、スタッフ同士の意識を揃えることで一体感が生まれます。情報共有を習慣化することは、現場の不安や行き違いを減らし、安心して働ける土台を築きます。結果として「自分は組織の一員だ」という帰属意識が高まり、離職防止につながります。
第二に、「承認」「賞賛」「ありがとう」といった前向きな言葉が日常的に交わされていることです。小さな成功や努力を見逃さずに声をかけることで、スタッフは「自分の仕事が認められている」と感じます。褒め合う文化は職場全体を温かい雰囲気にし、仕事のやりがいを高める効果があります。人は給与だけでなく、心理的な満足感によっても働き続けたいと思うものです。
第三に、店長自身が模範を示していることが挙げられます。どれだけ良いルールや制度を作っても、リーダーが守らなければ形骸化してしまいます。逆に、店長が率先してルールを守り、日常の言動で誠実さや責任感を示すことで、スタッフは自然と尊敬の念を抱きます。「あの店長についていきたい」という信頼が生まれると、現場は安定し、人材も定着します。
つまり、離職率が低いお店は偶然そうなっているのではなく、毎日の小さな取り組みを積み重ねているのです。朝礼・夕礼による意識統一、承認と感謝を伝える文化、店長の模範的な姿勢。この3つを徹底することで、安心感と一体感のある職場環境が築かれます。その結果、スタッフは働き続けたいと思えるようになり、離職率の低下につながっていくのです。
