「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
お店の最高日商は「席数 × 回転率 × 客単価」で算出されます。例えば、営業時間が10時間、20席のラーメン店で客単価を1,100円、平均滞在時間を20分とすると、回転数は10時間÷0.33時間(20分)=約30回転。結果として、20席×30回転=600人が来店可能で、理論上の最高日商は66万円となります。
ただし、これはあくまで理論上の数値です。実際の運営ではアイドルタイムやピーク時の混雑、調理や接客の処理能力などによって全席を常に稼働させるのは難しいのが現実です。そのため、現実的な上限は理論値の70〜80%程度、つまり46万〜53万円前後が目安と考えられます。
ここで重要になるのは、この理論値に近づけるための具体的な取り組みです。まず、調理や接客のオペレーション改善によって回転率を高める工夫が欠かせません。さらに、アイドルタイムを埋めるためにランチ限定メニューや時間帯クーポンを導入するなど、集客施策を取り入れることも有効です。加えて、サイドメニューやトッピング、セットメニューの提案による客単価アップは、即効性のある強力な施策といえるでしょう。
また、座席稼働率を高める工夫も成果に直結します。カウンター席を活用して一人客をスムーズに案内する、テーブル席を可動式にしてグループ客に柔軟に対応するなど、座席レイアウトの最適化は店舗売上に大きな影響を及ぼします。
つまり、最高日商を更新するためには「理論値を理解する」ことと同時に、「現実的な制約をどう改善するか」が鍵となります。数値を基準に運営改善を積み重ねることで、店舗は持続的に成長し、過去最高の売上を更新し続けることが可能になるのです。
