「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

近年、飲食店の集客においてSNSの存在感はますます高まっています。InstagramやTikTokでの写真・動画投稿は、お店の魅力を瞬時に拡散できる強力な手段です。しかし、SNSマーケティングに過度に依存することにはいくつかの注意点があります。

1. 人材依存と運用コストの高さ

SNSは無料で始められる一方で、継続的に成果を出すには大きな労力がかかります。写真撮影、動画編集、文章作成といった作業には専門的なスキルや時間が必要で、担当者が抜けてしまうと一気に活動が停滞するリスクがあります。これにより集客力が急落してしまうケースも少なくありません。また、一部のインフルエンサーに頼りきるのも危険で、彼らの動向ひとつで集客の成果が大きく変わってしまう依存状態を生みかねません。

2. 炎上リスクの高さ

飲食店は「食」と「接客」を扱う業態であるため、SNS上での話題が炎上に直結するリスクが常に存在します。投稿のちょっとした表現や写真の見せ方次第で誤解が生じたり、衛生や接客の不備が拡散されたりすれば、ブランドイメージは一気に傷つきます。SNSの拡散力は強みであると同時に、諸刃の剣でもあるのです。

3. 他の集客導線の軽視

SNSが順調に機能している時ほど注意が必要です。なぜなら、SNSに頼りすぎることでGoogle口コミやMEO対策、チラシや地域イベント、LINE公式アカウントや会員制度といった“地道ながら効果の高い施策”が後回しにされてしまうからです。結果として、SNSの成果が落ちた途端に安定した集客基盤を失ってしまう危険があります。

4. 長期的な繁盛のために

結局のところ、SNSは瞬発力のある強力な集客ツールであることは間違いありません。しかし、それだけに頼ってしまうと持続的な繁盛にはつながりません。重要なのは、QSC(品質・サービス・清潔)の徹底や再来店を促す仕組みづくり、そして地域での認知獲得といった「土台」との組み合わせです。SNSはその土台を補完する武器として位置づけることで、初めて長期的な繁盛店経営へとつながります。