「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

「美味しい」「接客がいい」「不味い」「汚い」といったお客様の声は、一見すると完全に主観的な意見に見えます。味の感じ方やサービスの印象は人それぞれ異なり、その瞬間の気分や期待値にも大きく左右されるからです。

しかし、こうした主観的な意見も 人数・割合・頻度 といった形で整理すれば、客観的なデータに変えることができます。例えば「接客が遅いと感じた人が全体の70%」と示せば、それは単なる感覚ではなく、改善の優先度を判断するための重要な指標になります。この時点で主観の集合は統計的に扱える情報へと昇華し、店舗運営における具体的な改善策を導く材料となるのです。

大切なのは、一つの意見や口コミに一喜一憂しないこと です。たった一人の感想には偏りや誤解が含まれる可能性があり、それだけで方向性を変えるのは危険です。しかし、複数のお客様から同じ声が繰り返し寄せられる場合、それは「改善すべき傾向」として捉えるべきです。つまり、主観も数が集まれば客観的に扱える指標 となるのです。

この考え方は、飲食店のQSC(品質・サービス・清潔)の評価や顧客満足度調査において非常に有効です。アンケートや口コミを通じて集めた主観的な声を統計的に整理し、さらに 事実データ(提供時間、商品の温度、清掃頻度など)と照らし合わせることで、感覚と現実のギャップが明確になります。

その結果、感情に振り回されず、冷静で効果的な改善が可能になります。主観を数値化して活かすことこそ、継続的に店舗を成長させるための大きな鍵となるのです。