「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店という業種は、人によって品質や対応が左右されやすい「属人的」な要素が強く残る業界です。経験や勘に頼った調理や接客が「職人技」とされる一方で、複数店舗の展開や、スタッフの入れ替わりが頻繁に起こる現場では、この属人性が大きな課題になります。

そこで必要になるのが「標準化」です。

特に商品作成における標準化は、味のブレや品質のばらつきをなくすために最も重要です。多くの店舗では「レシピマニュアル」はすでに整備されていますが、それだけでは不十分。実際の現場では、レシピ通りに作っても「なぜか味が違う」「盛り付けがイメージと違う」といったことが起こります。

原因は、「作業手順書」がない、もしくは曖昧なままになっていることにあります。

調理器具の使い方、火加減のタイミング、盛り付け順序、仕上げのチェックポイント──これらを明文化し、「誰がやっても同じものができる」レベルにまで落とし込む必要があります。

理想は、手順書を読み上げながら調理をすれば、未経験者でも同じクオリティの商品が作れること。これは、決して難しい話ではありません。

まずは最低限、完成写真に手書きで手順や注意点を書き込んだものをキッチンに貼り出すことから始めましょう。それだけでも、新人や外国人スタッフにも伝わりやすくなり、全員が正しい基準で調理できる環境が整います。

味と品質をどの店舗でも再現する。その第一歩が、この「作業手順書の整備」なのです。