「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
約30年前、ロイヤルホストでは、
クルーが初めてお客様の前に立つまでに、実に50時間ものトレーニングが行われていました。
この「初めて接客に立つ日」は“デビュー”と呼ばれ、
ワークスケジュールにも「◯◯さんデビュー」と明記されるほど、
店舗全体で新人を迎える空気が、自然とつくられていたのです。
デビュー当日は、専任のトレーナーが常にそばに立ち、
周囲のクルーも全員でフォローに入る。
まさに、“全員で新人を育てる文化”が根づいていました。
ただの接客マニュアルではなく、
経営者のフィロソフィーから、ホスピタリティの姿勢まで。
「なぜそれをやるのか」「どうすれば心に届くか」まで掘り下げて、
行動だけでなく“意図”を理解し、体現できるように導く。
それが、ロイヤルホストの教育でした。
こうした高い教育水準の積み重ねが、
今日まで続くサービス品質の源となっています。
そして現場では、定期的に「ブランドスタンダードチェックリスト」に基づいた評価とフィードバックが行われ、
クルー一人ひとりが“ブランドを背負って働いている”という意識を持つように育成されていました。
いま、急速に人が入れ替わる飲食業界において、
こうした“丁寧な育成”は非効率と見られがちかもしれません。
しかし、人がブランドをつくるという原点に立ち返るとき、
このロイヤルホストの「50時間のデビュー研修」は、
多くの飲食企業にとって、もう一度見直す価値がある取り組みだと感じます。
