「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。

20歳。
まだ右も左も分からない中で、初めて焼肉店の店長を任されました。
60席、月商2000万を超えるお店。今振り返ると、それは自分の実力というよりも、
「社長との距離の近さ」に支えられていた日々だったと思います。

毎日、売上金を自宅に届け、日報ではなく、僕自身の言葉でその日の出来事を伝える。
夜中まで反省会。そんな日常が、毎日のように続いていました。

社長もほぼ毎日、釣り銭を持って店に現れ、
店内を歩き回り、接客や商品、オペレーションを見て気づいたことをすぐに改善。
言葉ではなく、行動で背中を見せる人でした。
その“現場と経営が一体”となった日々の積み重ねが、
お店の成長を引っ張っていたのだと、今なら分かります。

ある日、いつものように社長のクラウンのエンジン音が近づき、
自然と背筋が伸びたそのとき、どこか違う音が聞こえ、振り返ると
ニコニコした社長の姿が。

「車、変えました?」
と聞くと、
「分かるか?見るか?」と嬉しそうに新しいBMWを見せてくれて、
そのまま近所を10分ほどドライブ。

その時間が、何より嬉しくて、
頑張ってきてよかった、と思えた瞬間でした。

今思えば、当時の会社にはシステムもマニュアルも何もなかった。
でも、“好き”と“本気”だけは確かにあって、
人も売上も、そこから生まれていた。

現場と経営が一体となっていたあの頃の経験が、
今の自分の原点になっています。

「経営とは人を動かすこと。
人を動かすのは、信頼と温度だ。」

あの10分のドライブが、教えてくれた気がします。