飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させるNEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店の現場で、1日に使える労働時間が「50時間」と決まっていたとします。この50時間をどう使うか――ただの「シフト作成」ではなく、「経営判断」に等しい重要な意思決定です。

たとえば、
•5人で10時間ずつ働く
•10人で5時間ずつ働く

どちらも合計50時間ですが、店舗運営への影響は大きく異なります。


長時間勤務の落とし穴

5人で10時間勤務させる場合、当然ながら1人あたりの拘束時間が長くなります。
そうなると次のような課題が浮かびます。

•休憩回しが難しい
•後半に疲労が蓄積しやすい
•接客や清掃の精度が落ちる

ピーク帯が終わっても人が残ってしまうなど、非効率が発生するリスクもあります。


短時間勤務の可能性と注意点

一方、10人で5時間ずつ働くパターンは、スタッフの集中力を高く保ちやすく、ピークタイムへの瞬発力も高くなります。
また、柔軟なワークスタイルを提供できるため、採用にも有利に働きます。

ただし、人数が多くなればなるほど、
•引き継ぎの質
•コミュニケーションの密度
•業務の共有化

が重要になり、教育体制やリーダーシップの在り方も問われます。


配分には「意図」が必要

重要なのは、「誰が、いつ、どこで、何をするか」が明確に設計されていること。
つまり、「労働時間を埋める」のではなく、「QSCを保つために配分する」という意識が必要です。
•朝の仕込みにベテランを配置する
•ピーク前にホール要員を厚くする
•閉店作業を慣れている人に任せる

このように、時間配分は戦略であり、QSC(品質・サービス・清潔)を守るための設計図なのです。


まとめ:時間配分は“質”を生む

「労働時間=戦力」ではなく、「労働時間の配分=戦略」へ。

QSCを高く維持し、現場の力を最大限に引き出すためには、時間そのものよりも、その使い方の質が問われます。

どの時間帯に、どのポジションに、どんな人を配置するか。

それこそが、現場を強くし、業績を安定させる“シフト設計の本質”です。