飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させるNEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店経営において「時給を上げたいが、人件費率は上げたくない」というジレンマに直面することは少なくありません。しかし、実はこの2つの要望は両立可能です。

ポイントは、「人時売上高」にあります。

人時売上高とは、1人が1時間で稼ぎ出す売上のこと。たとえば、1時間あたり5,000円の売上を1人で生み出し、人件費率が30%ならば、平均時給は1,500円となります。
この式はとてもシンプルです。

人時売上 × 人件費率 = 平均時給

つまり、人件費率を維持したまま時給を上げるには、人時売上を上げるしかないということです。


人時売上を上げるには?

1人あたりの生産性を上げるには、単に人を減らせばよいという話ではありません。それはサービス品質の低下を招き、結果的に売上減少へとつながります。

本質は、非生産的な労働時間の圧縮とピークタイム集中型の設計です。

•仕込みや片付けなどの時間短縮
•ピークタイムに人手を集中させる動線設計
•オペレーションの見直しによるムダの排除
•モデルワースケ(理想の人員配置)の精度アップ

これらの改善により、同じ労働時間でもより多くの売上を生み出すことができ、人時売上が向上します。そうすれば、人件費率を抑えたままでも、スタッフに還元できる時給を上げることができるのです。


まとめ:給与改善の鍵は「効率化」

人件費率をコントロールしながら給与を改善するには、「削減」ではなく「効率化」という視点が重要です。

人を大切にし、現場のモチベーションを守りながら利益体質を作る。
そのための第一歩は、「人時売上」の可視化と改善から始まります。