飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させるNEXT5コンサルティングの雑賀です。
「最近、備蓄米が市場に放出されたけど、これでお米の価格って下がるの?」
そんな疑問を持つ飲食店経営者や小売関係者の方も多いかもしれません。
今回は、実際に米価が下がる可能性があるのかどうか、わかりやすく解説します。
今回の備蓄米放出は“約21万トン”──
影響は限定的
今回放出された備蓄米は約21万トン。
これは日本国内の年間消費量(約840万トン)のわずか2.5%に過ぎません。日数で言えば、たったの10日分にも満たない量です。
つまり、この程度の数量では、市場全体に大きな価格変動を起こすほどの影響力はないというのが結論です。
一時的な価格の揺らぎや心理的な落ち着きはあるかもしれませんが、本格的な値下がりにはつながりません。
米価が下がるとすれば「関税撤廃」という別の動き
では、将来的に米価が下がる可能性があるとすれば何がきっかけになるのでしょうか?
注目されているのが、アメリカ産カルローズ米の関税撤廃です。
•カルローズ米は米国内では約120円/kg
•しかし日本に入ってくる際には、関税約340円/kg+流通コスト
•結果として、日本では600〜700円/kgで流通
この関税が撤廃、もしくは緩和されれば、安価での輸入が可能になり、
結果的に国内米との価格競争が発生し、米価の下落要因になると見られています。
実際に輸入されているのは“SBS枠”だけ
現在、日本が利用しているアメリカ米の多くは、関税がかからない「SBS枠」(年間10万トン)を通じて輸入されています。
これは主に大手が利用し、国産米とのブレンド米などに使われているのが実情です。
しかし、このSBS枠の量は限られており、本格的な市場価格に影響を与えるほどではありません。
結論:米価は当面、高止まり傾向が続く見込み
よほどの“ミラクル”──たとえば関税撤廃や大規模な輸入自由化がない限り、
来年も米価は高止まり傾向が続くと考えられます。
特に、飲食店経営者の皆さんにとっては、
「原価率の見直し」「メニュー構成の再設計」など、価格高騰が長期化する前提での対策が必要になってくるでしょう。
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まとめ
•備蓄米放出(約21万トン)では、米価への影響はほぼなし
•カルローズ米の関税撤廃が起きれば、価格競争で値下がりの可能性
•しかし、現状ではその動きは見えず、米価は高止まりの見込み
今後の食材コスト戦略を考える上で、「原価高が前提」という視点が重要になりそうです。
