飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させるNEXT5コンサルティングの雑賀です。

飲食店における店長の役割は、実は大きく分けてたった2つしかありません。

1.QSC(品質・サービス・清潔)の向上を通じてリピート客を増やすこと

2.店舗貢献利益(利益目標)を達成するために、PLに基づいたマネジメントを行うこと

このシンプルな役割を果たすためには、実際には膨大な知識とスキルが必要です。


■ QSC:約300項目の評価指標

「お客様満足度を高める」と一言で言っても、その中身は膨大です。
調理の手順、接客の言葉遣い、店内の清掃レベルやタイミング、提供スピード、食器の配置……。

これらを体系的に学び、現場で実践するにはQSCだけで約300項目もの評価基準が存在します。


■ マネジメント:約100項目の評価指標

一方、売上・人件費・原価・営業利益などのPL(損益計算書)を理解し、
その数値をもとに適切な指導やシフト設計を行うためのマネジメント領域も重要です。
こちらにも約100項目のチェックポイントがあります。


■ 「任せる側」と「任される側」の“見えないギャップ”

これだけの要素を押さえ、かつ実際に成果を出してこそ、上司と部下が本当の意味で納得し合える関係が築けます。

しかし現実には、
•「伝えたつもり」と「聞いたつもり」のズレ
•スキルの習得スピードの違い
•成果が見えにくいことへのフラストレーション

こうしたギャップが埋まらず、上司にとって大きなストレスになるケースが少なくありません。

さらに、評価指標や育成状況が“見える化”されていない場合、
上司は日々、漠然とした不安と「なぜできないのか」のモヤモヤを抱えることになります。


■ だからこそ「戦力分析表」が必要

こうした課題を解決する鍵が、役割とスキルを“可視化”する仕組みです。

たとえば、「戦力分析表」のようなツールを使えば:
•店長の成長ステータスが一目でわかる
•育成すべきポイントが明確になる
•上司と部下が“事実”ベースで対話できるようになる

これはただの評価ツールではありません。
育成の地図であり、対話のきっかけであり、信頼関係を築く土台なのです。


■ まとめ:育成に必要なのは“感覚”ではなく“可視化”

「何ができて、何ができていないのか」
「どこを伸ばせば、どの成果につながるのか」

こうした育成の精度を高めるためには、
可視化 → 共有 → 行動 → 検証というサイクルが欠かせません。

「なんとなく」から脱却し、
育成の仕組みを“見える化”することが、組織全体の成長スピードを変える第一歩になるのです。