飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させるNEXT5コンサルティングの雑賀です。

組織を強くするために、私が最も大切にしてきたのが 「ラインカウンセリング」 です。

一般的に、上司と部下の関係は「業務指導」が中心になりがちですが、それだけでは組織は強くなりません。私は 「部下の人生全体を支えることが、結果的に組織の成長につながる」 という考えのもと、仕事だけでなく人生全体をサポートするカウンセリングを実施してきました。


「ラインカウンセリング」とは?

ラインカウンセリングとは、 「5本の柱」 を軸に部下の状況を深く理解し、定期的に対話を重ねることで、仕事と人生の両面からサポートする仕組みです。

5本の柱
1. 仕事 – 業務の状況やキャリアの方向性
2. 人間関係 – 上司・同僚・部下、家庭との関係
3. 健康 – 身体・メンタルの状態
4. 趣味 – 仕事以外の楽しみ、リフレッシュ方法
5. お金 or 夢・目標 – 経済的な安心感、将来のビジョン

この5つの視点から話を聞き、 フィードバック(現在の状況へのアドバイス) や フィードフォワード(未来志向のアドバイス) を行い、それをカルテとして記録しました。

カルテがあることで、部下の変化を継続的にフォローできるだけでなく、引き継ぎの際にもスムーズに状況を共有できます。


仕事だけに全力投球する部下が、必ずしも成功するとは限らない

一見、仕事に100%の力を注ぎ、全力で取り組んでいる部下は優秀に見えます。しかし、 長年の経験から確信しているのは、「仕事・家庭・趣味などのバランスが取れている人が、最も高いパフォーマンスを発揮する」 ということです。

実際、バランスが崩れた状態で仕事に打ち込むと、いずれ心身に負担がかかり、結果的にパフォーマンスが低下してしまいます。 だからこそ、部下が健全な状態で働けるよう、毎月必ずカウンセリングを実施しました。


「本音」を引き出すための工夫

カウンセリングを行う際、ただの業務報告の場にならないよう、 リラックスした雰囲気を作ること を意識していました。
時には お酒を飲みながら 話す
形式張らず、カジュアルな会話からスタートする
仕事の話だけでなく、プライベートの話題も積極的に聞く

こうすることで、部下が「相談しやすい」と感じる環境を作り、 本音を引き出しやすくなります。


「ラインカウンセリング」の効果

この取り組みの結果、 部下の離職率はほぼ0% でした。

単なる「仕事の相談」ではなく、「人生の相談」として向き合うことで、部下は安心して働ける環境を手に入れ、組織の安定と成長につながりました。

また、カウンセリングを通じて部下の悩みを早期にキャッチし、トラブルが大きくなる前に対処できるようになりました。


強い組織は、強い個人の集まりから生まれる

組織を強くするためには、まず 個々のメンバーが充実した状態で働ける環境を作ることが大切 です。

私は、 「人を支える仕組み」こそが、組織を強くする最も重要な要素 だと考えています。

これから組織作りを考える方へ。
ぜひ、業務指導だけでなく、 「人生の相談ができる環境」 を意識してみてください。
それが、組織の安定と成長につながる大きな鍵となるはずです。