『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』(堀元見)読了。

同著者の著作は、以前の日記で取り上げた『読むだけでグングン頭が良くなる下ネ

タ大全』、『教養悪口本』に続き、今回が3冊目となる。そして、オレにとっては本書

がこれまでで一番、面白かった(他の2冊も面白かったが)。

本書は、著者がベストセラーになったビジネス書を100冊読むことにより、成功の

ための黄金律を発見しようという建て付けになっているが、実際は、各書の主張を

並べることで見えてくる矛盾やヘンなところを面白おかしく述べていくという、

意地の悪い内容となっている。

 

オレ自身は、ビジネス書や自己啓発本というものを信じておらず、また、その手の

本を読む人間もバカだと思っているので、本書で取り上げられた100冊は、ほぼ読ん

だことが無かった。

わずかに、会社の上司に読め読めとしつこく薦められて抗えずに購入した『チーズ

はどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン)を読んだのと、同じく薦められなが

ら本屋でパラパラ見て買うのを止めた『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル)の

数ページに目を通した程度だ。

しかしビジネス書ってどういった層が買ってるんだろうね。会社等で強制的に購入

させられることはあっても、個人で進んで買うなんて、ちょっと考えられないね。

偏見なのだろうが、真剣に読んでいるのは、よほどの情弱か電波系ビリーバーじゃ

ねえの、と思ってしまう。

 

で、本書の内容に戻る。

当たり前だが、100冊もあると、真逆のことを述べているビジネス書は幾らでもあ

るのね。小さいところで言えば、ビジネス上の雑談で「意味のある話はするな」と

書いてある本もあれば、「意味のない話はするな」と主張する本もある。

もう少しビジネス的な内容では、「MECEというフレームワークで情報を構造化する

ことが大切」と説く本がある一方、「MECEをむやみに使用してはいけない」という

主張もある。

恐らく、どんな事柄についても賛成・反対いずれの立場を説くビジネス書が存在す

るということなのだろう。結局のところ、人間は信じたいことを信じて生きるだけ

なんだろうね。

 

あと、上記の通り、オレがパラパラ見て「これは読まなくて良い本だ」と思った

『思考は現実化する』について取り上げている箇所も面白かったな。

この本の基本思想は「信念を持って執着すれば、不可能を可能にすることができる」

というものなのだが、その根拠がスピリチュアルっぽいということは、堀元氏の指

摘で初めて知った。やれやれ、スピリチュアルとは。改めて、こんな本を購入しな

くて良かったと、自分の選球眼に妙に自信を持ってしまった。

また、これと同系統の人間として、ニデック(旧日本電産)の永守重信が取り上げ

られていた。永守は、松下幸之助や稲森和夫と並び、会社の朝礼とか訓話とかで登

場しがちだ。オレはこの3人の中では、永守が一番好きではないので(根性・執念・

気合だけ重視で知恵が足らない感じ)、やはりオレには『思考は現実化する』的な

考え方が合わないんだろうな。

 

本書はとてもオススメ。特に会社員で、訓話とか朝礼で、ビジネス書の一節みたい

な話を聞かされてムカついている人には良いと思う。この手の本のくだらなさが良

く理解でき、明日の朝礼のムカつきが倍増すること必至。

あとこの本、レイアウトからビジネス書のパロディというか、バカっぽいところを

再現していて面白いのだが、オレはこの本を難波ジュンク堂のビジネス書のコーナ

ーで見つけて買ったのね。

少し内容を読めば、この本はビジネス書ではなく、ビジネス書を茶化したお笑い本

と理解できるのだが、ジュンク堂の店員は、恐らく中身を見ずに棚に並べたんだろ

うな。もし、ビジネス書のコーナーに買いに来た情弱が真面目な本と間違って買っ

たら面白い、とかで置いたのであれば、イカれた書店員に好感が持てるのだが。