本棚からこんな一冊

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ノルウェイの森・考 ワタナベトオルにとっての緑と直子、緑への電話


「好きな人への想いが報われない、寂しい心の隙間を埋めるためにいろんな人と肉体関係をもつ」という解釈は「大体合ってる」のではないかと思います。
私は緑より直子派(派??)です。

キズキが自殺する前、直子はキズキと付き合っていたようですが、主人公(ワタナベトオル)がキズキの死に強い影響を受けたように、直子もまた影響を受けています。
直子と主人公は2人とも死の印象にとらわれ過ぎていて、お互いの体温を心地よいと感じられるような、生に満ちた恋愛関係にはなれなかったのではないかと思います。
キズキが何も言わず独りで死んだように、直子にも主人公の言葉は届かず、直子は独りで死んでいきます。
主人公は常にキズキの、次いで直子の不在(つまり死)を常に感じながら日々を過ごしているように思えました。

こう話を直子中心に考えていると、緑が主人公にとって大切な存在だったのか、がいまいち分からなくなってしまうのですが…緑は学生時代出会った女の子で、料理が上手く「ケーキを窓から投げ捨てる」我儘の例えを話した子です。
主人公はレイコさんと寝た後緑に電話をかけますが、死んだ直子に電話はかけられませんからね。
緑への電話は、身近な人間の死に満ちた世界から、生者の世界へと繋がろうとする僕の生きる意志なのかなと思います。
けれど「ここはどこだろう」と思うワタナベトオルは、前向きに生きる意欲を見出しているというよりは、キズキや直子のいる死の方がまだ身近だと思います。

ノルウェイの森 参考文献候補


・小山鉄郎『村上春樹を読みつくす』
兎に角「死」と「生」で『ノルウェイの森』を読みつくす本らしい。
「最後に緑に電話をしたのは、直子=死の象徴から緑=生の象徴へと往還する物語」というのは同意するが、おすすめしている人の内容紹介はちょっとオカルトっぽい。

おすすめファンタジー小説

ハイ・ファンタジーの定義を調べてみたら、「はてしない物語」 はともかく「ネシャン・サーガ」もロー・ファンタジーに分類されるらしいのでちょっと困惑。

ハード・ファンタジーとしては「指輪物語」と「ゲド戦記」をおすすめ。
日本の作品だと、水野良「ロードス島戦記」、萩原規子「空色勾玉」三部作。後者は古代日本風の世界が舞台。

ロー・ファンタジーとして定番ですがミヒャエル・エンデ「はてしない物語」、小野不由美「月の影、影の海」から始まる十二国記シリーズ、野莉原可南「マルタ・サギーは探偵ですか?」
後ろ二つは高校生が異世界に紛れ込んじゃう話。安易に行き来できるようになるとコミック・ファンタジーになってしまいますが、どちらも基本的に帰れない所がちょっぴりまじめでおすすめ。

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