NHKの番組「今夜も生でさだまさし」
録さだしたり、見なかったりの番組ですが今回は
「あをによし 奈良の都は さだ盛り」
なので、「まほろば♫」の話が聞けるかもと思ったらビンゴでした。
さださんは、「まほろば」を作成するために半年間に4回奈良を訪れたそうです。その時、春日大社の萬葉植物園で、黒とか夜とか髪とかの枕詞である沼束(ヌバタマ)と呼ばれる実をつける檜扇(ヒオウギ)のところに、
磐之媛(いわのひめ)のお妃という仁徳天皇の奥さんの歌が書いてあったそうです。
「居明かして 君をば待たむ ぬばたまの わが黒髪に 霜はふるとも」
さださんは、
「ああ、こういう歌ね、あったな・・・。ちゃんと読んだことないな、俺って思って。それを書き留めて。読んでみると、『あなたが帰ってくるまで私起きて待ってるわよ。霜が私の髪に降っても』って読めるじゃない。怖っ。『あんた帰ってくるまで私の髪に霜がふっても私起きて待ってるわ。』怖っ・・・って。何度も何度も読んでいるうちに『白髪になってもあなたが好きよ』っていふうに読めば、なんかいいなと思ってね。」
と言ってました。
この歌、「夜遅くまで待つ」と「白髪るまで待つ」という2つの解釈があることを私は知ってましたが、私は、以前の投稿「さだまさしの【まほろば】と【晩鐘】を同時に楽しむ」https://ameblo.jp/ttl-nikomat/entry-12546602937.htmlであえて、「黒髪に白い雪が降る冬まで待つ」という意味もあったとしたので、驚くことなくフムフムと聞いてました。
さらに、放送作家の井上知幸さんが
「もう一つ思ったのは『寝ぐらを捜して鳴く鹿の 後を追う黒い鳥』。どういう意味なのかなと。」
「いや、そのまんまじゃないですか。」
「いやそこに意味があるのかと思ったんですよ。」
「いや、奈良でね鹿が集団で帰ってくる時、一回夕暮れ時見てごらん。ぞろぞろ帰っていくんだけどね 先頭が何か気が向くと、ぴゅって止まるのよ。一斉に後ろのやつ、止まるのよ。うわ、なんか朔像みたいだなと思っていると先頭の鹿の耳がぴくんって動いた瞬間に魔法が解けたみたいに一斉に動き出すの。それを見てね、すごいなって、ゴーンって鐘が聞こえてね ねぐらへ帰るカラスが2羽3羽。そういう映像ですよ。」
「僕、その黒い鳥に何かミステリアスな怖いものがあるのかなって」
「そんなこと考える能力ないって、見たまんまでんがな。こうやって深読みしていく人が、さだまさしにハマるのよね。あんまり深読みしないほうがいいって。大したこと書いてませんから。」
とありました。この黒い鳥は、3本足の八咫烏(やたがらす)
だとの説があり、面白いので考察したことがあったのですが、ちょっと残念です。
「寝ぐらを探して鳴く鹿の 後を追う黒い鳥 鐘の音ひとつ」さだまさし作詩「まほろば」より https://ameblo.jp/ttl-nikomat/entry-12587282222.html
深読みしてさだまさしにハマったのでしかたありませんね。(笑)
井上さんは「怖っ」や「黒」という言葉から「黒い鳥」を連想したのかもしれません。しかし、「黒髪に霜のふる迄待つ」とくれば諸説ある「まるで宛て名のない手紙」の意味でしょう。
聞いてもさださんは「聴く人がそれぞれ考えれば良いんです」と答えるとは思いますが、ちょっと残念です。