古くて新しい話題ですが、生涯独身男性の平均年齢が既婚男性、既婚女性、独身女性に比べて圧倒的に低い結果が出ているようです。
独身男性の平均寿命が67~67.2歳と言われていて、全男性の平均寿命81歳と比べて大幅に低くなっています。
私はこの集計結果に懐疑的で、この独身男性の中には若くして交通事故や仕事中の事故で亡くなられた方が多数含まれているのではないかと思っています。
10代から20代に事故等で亡くなられるのは女性より男性が圧倒的に多いですから、これらの数字が平均寿命を大きく下げていると私は考えています。もし冒頭の集計結果がどのように計算されたかご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
月々の保険料
保険料は保険事故の発生確率、大数の法則、その他諸々の要因から計算されています。
大数の法則については過去の記事に。
この記事の内容にもう少し話を付け加えます。
保険料は厳密な計算に基づいて次のように決定します。
1. 予定死亡率、予定利率、予定事業費率の3つの予定基礎率を計算。
2. 3つの予定基礎率に基づいて純保険料と付加保険料を算出。
3. 純保険料+付加保険料=月々の保険料と決定。
4. 保険会社は受け取った保険料を将来の支払いに充てるために責任準備金を積み立て。
それでは個々について見ていきましょう。
予定死亡率
予定死亡率とは、経験表に基づいた、性別、年齢ごとの年始の生存者数に対する1年間の死亡者数の割合をいいます。予定死亡率が高くなると、死亡保険の保険料は高くなり、生存保険の保険料は安くなる傾向にあります。
同年齢の男女の死亡率は男性のほうが高いため、同年齢の場合、死亡保険の保険料は男性が高く、終身年金などの生存保険については女性の保険料が高くなる傾向があります。
ということは独身男性の終身保険の保険料は安いのかな?
予定利率
予定利率とは、受け取った保険料等の積立金の運用益に相当する利率をいいます。
高い利回りで運用できる場合は予定利率が高くなり、そうでない場合は低くなります。
予定利率は将来支払う保険金額を現在価値に割り引くための割引率です。予定利率が高くなると支払保険料は安くなり、予定利率が低い場合は支払保険料が高くなります。
予定利率は将来支払う保険金額を現在価値に割り引くための割引率です。予定利率が高くなると支払保険料は安くなり、予定利率が低い場合は支払保険料が高くなります。
株式会社の配当性向が高まれば予定利率が高くなり、支払保険料が安くなるのかな?
予定事業費率
予定事業費率とは、保険料に対する経費の割合をいいます。経費は、保険契約に係る営業社員や代理店への報酬、診査手数料などの新規契約獲得のために要する費用、既存の契約の保全に要する維持費、保険事業を経営するために必要な経費からなります。
純保険料
純保険料とは保険金支払いのための財源となる保険料をいい、予定死亡率と予定利率に基づいて計算されます。
付加保険料
付加保険料は、予定新契約費、予定集金費、予定維持費など保険会社の人件費と経費からなり、予定事業費率に基づいて計算されます。
責任準備金
責任準備金とは、保険会社が将来の保険金、給付金を支払う財源として上記純保険料から積み立てておく準備金をいいます。
剰余金・配当の仕組み
保険料の計算基礎となる3つの予定基礎率は、余裕を持って決められるのが通常で、実際の基礎率と予定基礎率の差額により剰余金が生じるときがあります。剰余金が生じる3つの要因は死差益、利差益、費差益といい、それぞれの内容は次の通りです。
死差益
死差益
死差益とは、実際の死亡による支払い保険金額が予定死亡率による支払保険金額を下回る場合に生じる差益をいいます。
利差益
利差益とは、実際の運用収入が予定利率による運用収入を上回る場合に生じる差益です。
費差益
費差益とは、実際の事業費が予定していた事業費よりも少ない場合に生じる差益をいいます。