私のENFJ-T型の強い共感力は、お客様の言葉にならない要望まで察知し、期待を超えるサービスを提供することに繋がります。
しかし、この「共感」の深さが、時にサービスを超えた領域に踏み込み、予期せぬトラブルを招くことがあります。
お客様の期待に応えすぎることの危険性とは?
このブログでは、お客様の満足を追求するあまり、プロフェッショナルとしての「境界線」を見失いそうになる支配人の葛藤を語り
ます。
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共感力が生む「過剰なサービス」
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期待に応えすぎることの危険性
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プロとしての「境界線」
第3話:サービスを超えた「共感」の失敗:お客様の期待に応えすぎることの危険性
1. 共感力が生む「過剰なサービス」
私は、お客様がチェックインされた瞬間に、その方の体調や気分、求めている滞在スタイルを察知しようとします。
これは、私の共感力が自然と行う行動です。
あるお客様が、予約にはなかったが、ふと「地元の珍しい焼酎が飲みたい」とつぶやいたとします。
私はすぐに「最高の体験を提供したい」という衝動に駆られ、定休日であったにもかかわらず、個人的なコネクションを使って地元の酒造に連絡し、無理を言って手配しました。お客様は大変喜んでくれましたが、手配に奔走した私のエネルギーと時間は膨大でした。
この「過剰なサービス」は、お客様を喜ばせるという点では成功です。
しかし、これは「このホテルでは、支配人に頼めば何でもしてくれる」という、持続不可能な期待を生み出してしまいます。
私の仕事は、最高のサービスを「安定して提供する仕組み」を作ることです。
一人の支配人の個人的な努力に依存するサービスは、仕組みとしては「失敗」なのです。
2. 期待に応えすぎることの危険性
お客様の期待に応えすぎることの危険性は、大きく二つあります。
一つは、「サービスの標準化を妨げること」。
私の個人的な過剰サービスは、他のスタッフには再現できません。
結果として、「支配人でないと満足できない」というお客様を生み出し、チーム全体の士気を下げ、クレームの原因にもなりかねません。
二つ目は、「感情的な依存を生むこと」。
私の共感力は、お客様の個人的な悩みや、サービスとは無関係の要望にまで踏み込みがちです。
ある時、常連のお客様の個人的な問題に深く関与しすぎてしまい、結果的にその問題の責任まで私が負わされそうになった経験があります。
私は、お客様の満足を追求するあまり、プロとお客様の間に引くべき「境界線」を見失いそうになることがあります。
仕事とは、他者の感情に寄り添いながらも、プロフェッショナルとして引くべき一線をわきまえる「線引きの技術」でもあるのです。
3. プロとしての「境界線」
この経験から、私は「共感」をサービスに変える際のプロとしての「境界線」の重要性を痛感しました。
私の役割は、個人的な友愛を提供することではなく、ホテルのルールとプロトコルに基づいて、最高の顧客体験を提供することです。
お客様の要望に「No」と言わなければならない瞬間もあります。
それは冷たい対応ではなく、ホテルのサービスの品質と、従業員の心身の健康を守るための、プロとしての冷静な判断です。
共感力は私の最大の強みですが、それを無制限に使うことは、自己破壊であり、チームの破壊にも繋がりかねません。
仕事とは、自分の感情的な衝動を制御し、組織の目標のために活かす「自己制御」の訓練でもあります。
このホテルで、私は今日もお客様の笑顔を求めます。
しかし、その笑顔は、私一人の犠牲ではなく、チーム全員の持続可能な努力によって生み出されるものであるべきだと心に刻んでいます。
プロとしての境界線を守り、真に価値あるサービスを提供し続けること。
それが、今の私の仕事の定義です。
サービスを超えた「共感」の失敗とは?
ENFJ支配人が語る、お客様の期待に応えすぎることの危険性。
個人的な努力は美談か、持続不可能な失敗か?
プロとしての「境界線」をどう引くか。
管理職の皆さん、どこまでお客様に尽くしますか?
#過剰サービス #顧客満足度 #境界線
今日もやったろ!!