佐々木丸美「花嫁人形」「風花の里」 | しょうちゃん オフィシャルブログ

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佐々木丸美さんの孤児シリーズ4部作の3作目「花嫁人形」と4作目「風花の里」を読みました。




いずれの作品もはじめて読みました。「雪の断章」「忘れな草」に続く作品ですが、良く最初の3作品が1つのまとまりで4作目はおまけみたいに書かれいてるのですが、わたし的には1作目が独立していて、2〜4作目で1つの作品みたいな印象を持ちました。

この孤児シリーズのテーマは難しいところですが「悲恋」とか「叶わぬ恋」みたいなところなのでしょうか。

企業、跡継ぎ、財産、そういうものに振り回されて、孤児として生きてきた女性の、叶わぬ恋というか、恋はかなっても添い遂げられないとか、そういう悲しい宿命や運命を描いた作品。その問題となった企業や跡継ぎの問題がどうなったのかという点については、どこにもはっきりと書かれていないまま小説が終わっていきます。それはそれで情緒があっていいのですが、今風ではないかもしれません。

4作のうちどれが一番かと言われれば難しいところなのですが、「雪の断章」か「風花の里」でしょうか。他の2作では主人公が人生を長くともにした姉妹や姉妹同然の相手が自死する流れですが、「雪の断章」では自死する重要な登場人物がいますが、それは自らの殺人の罪を告白してという流れなので受け入れやすかったというか。「風花の里」で自死した登場人物は既に1〜3作目に登場してきた人たちなので、自然と受け入れられたというか。こういう悲しい自死が描かれる部分とかも、今の時代だと出版が難しそうに思います。

それにしても、この4作を通じて、北海道の地名がいろいろ出てきますが、場所がリアルなので若い頃に読まず、北海道で仕事をして、やや時間を置いた今読むのにぴったりだったかなぁなんて思っています。

悲恋の小説が好きなら、読んでみるとグッと来る作品なのでは?と思います。



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