高市さんは「Japan is Back!」をスローガンにして総裁選を勝利しました。この言葉は2013年に当時の安倍内閣が掲げたもので「日本再興戦略」を意味していました。安倍派の継承者である高市さんはそれをもう一度掲げているのです。しかし安倍内閣はこれを実行するにあたってアベノミクスという経済政策を実行し、結果的には失敗しました。それは特定の企業だけが良いとこ取りして利益を独占しているからです。本来はそれにより国民の賃金が上がることを期待したのに企業はリストラを盾にそれを拒んだのです。その結果日本では30年間以上も賃金は上がらず、海外諸国の賃金の半分の水準のままで今日に至っています。
安倍さんの時代は「デフレ対策」が急務でした。賃金が据え置かれても、幸か不幸か物価が上がらなかったから特に問題とはならなかったのですが、コロナとロシアのウクライナ侵攻で情勢は一変し、物価高が止まらなくなりました。だから日本は悲劇なのです。このような現状において「Japan id Back」は何を意味するのでしょうか?
ところで、高市さんは保守主義だとされていて、そのために保守党、参政党などの右翼系政党は歓迎しています。彼らにとって「Japan id Back」とは「戦前の日本に戻る」ことを意味しているのではないでしょうか? 男尊女卑、軍国主義、アジア統一というスローガンが蘇ります。確かにあの時代の日本は勢いがありました。しかしその勢いが結果的に太平洋戦争を引き起こし、アメリカに敗戦することになったのです。
高市さんはそこのところをもっと丁寧に分かりやすく国民に説明しないと右翼勢力に利用されてしまいます。公明党が連立に躊躇しています。他の野党は連立に二の足を踏めば、自民党は少数与党として政権を担当しなくてはならなくなります。これは厳しいです。