昨日のニュースで中国の国民が不況に苦しんでいると言うレポートを見ました。仕事を失った失業者が山ほど増えていて、彼らは毎朝職業紹介所に並ぶ。その日の仕事をもらえたら急いで職場に向かう。しかし仕事がもらえない人もたくさんいる。地方ではもっと酷い状況なので、父親は単身で都会に出てきて、路上で寝泊まりしながら仕事を探しているという。
これは昔の中国に戻ってしまったのと同然です。毛沢東が共産主義革命を果たし、中華人民共和国を建国する前の中国です。それがなんと皮肉なことに、労働者の国家である共産党支配の中国で再燃していると言うのは、なんとも理解に苦しむ話。
共産主義というイデオロギーはマルクスによって経済理論として完成された。それを本で勉強すると、まるで理想郷のように思える。だから過去に一気に世界を駆け巡った。その結果、ソビエト連邦、中華人民共和国、北朝鮮、キューバ、東欧諸国などたくさんの国が社会主義国家として誕生した。社会主義と言うのは、共産主義経済の運営を国家が中心となって主導する体制だ。
例えば、ソビエトではスターリン、中国では毛沢東などのトップに立つ一人の人間が国家を独裁する。するとこの人物が王様のようになっていく。そこが社会主義国家の最大の欠陥だ。
一党支配の独裁政権というのは、過去に何度も過ちを犯してきた。例えばヒットラーのナチスドイツなどはその典型だ。またソビエトのスターリンも酷く残酷な政治をした。特にこの時代のウクライナはスターリンによって小麦などの食料を搾取され、何千万人ものウクライナ人が飢え死にした。現代では中国の習近平や北朝鮮の金正恩、ロシアのプーチンなどの名前が挙げられる。かれらは実は共産主義というイデオロギーとは無関係で、利益を追い求めて独占する、悪政の王様に豹変している。
そしてこれから先、ついにアメリカもトランプ大統領によって、この誤った道を歩み始めるような予感がする。人類は過ちを繰り返すと言うが、これだけは絶対に繰り返してはいけない。
