長い期間、一つの目標を達成するためにひとつひとつ努力の成果を積み上げていくというやり方があります。それは結局何年かかるかは分かりませんが、そういう努力を続けることが唯一のアプローチと考えられるのです。
しかしこの方法は、今年度中に、すなわち今、何かの成果または利益を生むのかと言われると、今はまだ無いと言うことになる。
「そんなものはやるだけ無駄だ!」と上司に言われる。実際に私はそう言われたことがあります。「今儲かることだけやれ」「将来のためにやる努力なんて、将来の奴らが褒められることになるからバカバカしい」と言われたこともありました。
今の企業の経営論理はだいたいこういう傾向になっています。それはなぜかと言うと、株主に利益を還元して株価を上げるための経営が目的だからです。
しかし、将来のために今から準備して進めていくという仕事を排除してしまったら、結局将来その会社は利益が減っていくに違いない。いわゆる「近視眼的な経営」という穴に落ちてしまうと思うのです。
今の日本はそこに大きな欠陥がある。だから狩猟的な営業に傾いていくのだけれど、獲物が見つからなければ飢えてしまう。それに対して、春に畑を耕して種をまき、大事に育てて、秋に収穫を得るという農耕民的な生産を基盤にしておけば飢えることは無い。
