NHKのアナザーストーリー「イトマン事件 バブルに踊った男たち」という番組を見ました。そういえばそんな事件があったなあ、バブル経済の時にはいろんな闇の事件が発生し、その後も真相が解明されていない事件も多い。イトマンとは大阪の歴史ある老舗の商社。そこに住友銀行から河村という男が経営再建のために送り込まれて社長になったところから始まる。しばらくして日本中がバブル経済に沸いたことで、この河村社長は追い風を背に受けた。当時は不動産価格がうなぎ上りで、今日買った土地が明日には倍の価格でも売れるという狂った状況でしたから、いわゆる「土地ころがし」で巨万の利益を上げることができた。イトマンは住友銀行から調達した資金でこの土地ころがしを繰り返して莫大な利益を上げ、当時抱えていた赤字を解消した。そのため河村社長は「経営の神様」とあがめられ、一躍時の人となった。当時私も銀行員でしたから、この手の話はイトマン以外でも盛んにおこなわれていたことを記憶しています。
その当時私は銀行でオンラインシステムの開発を担当していたので、営業現場は見ていませんが、営業の前線から異動してきた同期の友人から生々しい話を聞かされて、腰を抜かすほど驚きました。
その友人は言うには、いまや住友銀行以外の銀行でもみんなやっている。こんなことをしていたら日本はおかしくなる。彼は上司に異を唱えたらシステム部門に来てしまったという。
イトマンはその後、バブルの申し子のような人物、伊藤寿永光や闇のフィクサーともいわれた許永中とも関わり、闇の世界の取引に利用され3000億円近い資金を失う。しかし、その金の流れはその後も一切追及されず、報道もされていない。
そういえば、東京オリンピックの際に森元首相や電通などのいくつかの企業が巨額の資金を不正にやり取りしていた事件があったが、あれも政府、自民党はうやむやにしたままだ。
NHKがなぜ今この番組を作って放送したのか? その真意は定かではないが、政府によるマスコミ報道の管理統制で真実を報道できないことへのアンチテーゼなのではないかと思います。
