私の趣味遍歴(旅と地理) その1 地理との出会い | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

長ーい「写真とカメラ」の話が終わり、次に私が書こうと思ったのは「地理」です。これは本来は高校の社会科の科目ですが、実は私にとってはほとんど趣味なのです。

 

高校時代に国立文科系志望のクラスでは世界史と日本史を専攻するものが圧倒的に多く、私のように世界史と地理を選択する者は少数派でした。しかし、目的は大学受験なので得意な科目で勝負するならば、やはり私の場合「地理」だったのです。

 

高校一年の時の「地理」授業でその面白さに目覚め、私は暇さえあれば地図帳を眺めていました。高校三年のクラスはそういう地理好きが集められた、いわば「変態クラス」だったのですが、どいつもこいつも「地理バカ」で、彼らの会話は地理用語だらけで第三者が聞いたら意味不明な暗号だったかもしれません。

 

私のいた高校には地理の神様のような先生が居ました。この先生の授業が実に分かりやすく、面白かったことが、私が地理好きになった最大の理由です。先生はまるで講談を話すような口調で話されます。

例えば「欧州はピレネー(山脈)より始まるのであーる!(ぺんぺん)」という感じ。でも怖い先生でもありました。前の授業で教えたことを忘れていると、「お前は誰だ? 見たことも無いぞ」という調子です。

 

高3の夏休みに、受験対策特別授業というのがありました。みんな地理の変態ばかりでしたから、こういう授業には目が無いので、暑いのに全員出席してました。当時の学校にはエアコンなんてありません。窓を全開にして、青々とした水田を渡って来る自然の風を頬に感じながら、汗をふきふき毎日2時間の特訓でした。

 

先生は東京大学の地理の入学試験問題(過去20年分)のプリントを夏休み前に生徒に配り、それを事前に解いてから授業に出て来いという指示でした。つまり特別授業は東大の入試問題を徹底的に研究し尽くすことだったのです。

 

「好きこそものの上手なれ」ではありませんが、これは全然苦ではなく、楽しく勉強したのを覚えています。それ以降も地理の問題集を片っ端から解きました。そのおかげで私は地理に関しては誰にも負けないくらいの成績を出していました。全国模試でも常に上位10位以内に名前が載っていました。(自慢話ですみません) しかし、こんな話も大学に入ってからは特に何かに役立つということもなく、受験時代の思い出になっていました。

 

それから何年か経ち、社会人になってから私はなぜか、出張する機会が多くなり、日本全国だけではなく海外にも出張する機会が増えました。その時にこの地理が役立つようになるのです。

 

妻は言います。「あなたは生涯を通じてあちこち旅をするという宿命なのよ」と、まるで放浪の画家 山下清のように言いますが、ほんとうにそうなのかもしれません。ある意味とても恵まれています。

 

次回以降は私の旅(出張)での出来事などを書きたいと思います。興味があればお読みください。

(つづく)