帰りの通勤電車での出来事です。かなり混雑していて、立っていると後ろに立っている人のカバンが腰に当たって圧迫されます。「わあーこの体制ではきついなあ」と思っていたら次の駅で、かなりの人がどどっと下車していき、目の前の座席が2人分空いたのです。
私はラッキーと思いその座席の片方に座りました。 すると私の隣のもう一つ空いた座席には、私と同じぐらいの60代と思われる初老の男性が「座らせてください」と声に出しながらやっとの思いで座りました。
ところが次の瞬間、この人は今座ったばかりなのに、「どうぞどうぞ」と言って目の前に立っていた若い女性に席を譲ろうとしているではありませんか! 驚いたのはその女性です。白髪交じりの頭の男性、どう見ても60代ですよ、その人に席を譲られて当惑しています。「いいえ結構です、私は大丈夫ですから・・・」と断っていたのですが、その男性は立ち上がって吊革に手を掛けたのです。結局、その女性は断り切れず、譲ってもらった座席に座り、そのあと私の隣でずっとスマホを触っていました。
その一部始終を見ていた私はポカーン! ですよ。なにそれ! もしも私よりも高齢の老人とか妊婦さんとか身体に障害を持っている方が立っていたのなら、多分私も席を譲ります。しかしどうみても20代前半の若い女の子に席を譲るという行為が、私には理解できませんでした。これは「レディーファースト」のつもりでしょうか? 周りに居合わせた他の乗客はどう思ったのでしょう。私は違和感を覚えました。
