「旧優生保護法は憲法に反する」という判決に関するニュースを見ていて、最高裁大法廷に居並ぶ判事の方々、とりわけ中央に座っている戸倉裁判長の強い怒りを感じました。
この、どうみても人権侵害の行為が政府によって長年繰り返され、約2万5000人もの障がい者の方々が辛く苦しい思いをしてこられたという事実は、「請求権が消滅したとして国が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し容認できない」という裁判長の判決文によって罪とされた。
今放送されている朝ドラ「虎と翼」でもたまたま本日の回で、尊属殺人罪に関する最高裁の憲法判断が描かれていましたが、合憲か違憲かという判断は日本人としての人権にかかわる重大な判断です。しかし戦後の社会に至っても、依然として封建的な風が吹いていたことは事実で、あれから80年近くの長い歳月を経て、今日ようやく改めるべしという判決が出た。
できれば政府が自ら見直して欲しかった。岸田総理はこの判決を受けて、「誤りを認めて反省したい。お一人お一人にお会いして謝りたい」としゃべっていたが、判決が出たからそうするのは見苦しい。