本日、日銀はマイナス金利政策を解除し、同時に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)も解除した。これはもうだいぶ前からささやかれていたこともあり、先週末あたりからはマスコミが堂々と予測記事を書いていたので、全く誰も驚かない。
これは要するにどういうことなのかと言うと、日本の金融市場のスイッチをONにしたというだけの話。これで通常通りに金融市場が機能するわけで、変な話だが「金利が復活する」などと言われている。こんなことを言っているのは日本だけだ。
テレビのキャスターが、おそらく30歳台の人だと思うが、「金利のある時代を経験したことが無い」「親から昔の話を聞いているが実際どんな感じなんだろう」と真面目な顔をして話していました。それを聞いて私はびっくりですよ。
私は若かりし頃に銀行員をしていましたが、そのころ期間1年の定期預金の金利が年8%だったのを覚えています。100万円をたった1年間預けるだけで利息が8万円付く。しかもその当時は「マル優」といって国民はだれでも一人当たり300万円までは非課税という制度がありましたから、これを利用すると利息の8万円はまるまるもらえたのです。いい時代でしたよ。
8%は当時でも異常な高金利でしたが、平均すると4%~6%ぐらいの預金金利は普通でした。今後日本の金利がそこまで上がるかどうかは、今後の景気次第ですが、アメリカではその水準ですから、あり得ないわけではありません。
日銀は当面は金融緩和気味に金利政策を運営し、利上げには慎重であると表明しているので、当面は1%を超えるような水準にはならないようです。ただし、日銀が決められるのは短期金利で、長期金利は公社債市場で決まります。YCCを解除したので、こちらの方が上がることがあるのかもしれません。
もしも銀行の定期預金や国債が2%とか3%とかになれば、みんな買うでしょうね。投資信託なんかは売れなくなるかもしれません。日本人はそういう志向が強いですから。
