先ほど見たYahooニュースに「日銀が18、19日に開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策の解除を決める見通しとなったことが15日分かった。」と出ていました。なんでこういう情報が事前にリークされるのでしょうか?
思えばバブル経済崩壊以降の「失われた30年」と呼ばれる期間は、金融市場に対する政治的な介入が多すぎた。市場と言うのはあくまで投資家の動向によって価格が決まるものである。それが政府の意向が前面に出て、あろうことか政権と日銀が共同して「異次元の大規模金融緩和策」と称するマイナス金利政策を実行した。この目的は表向きは「企業のリストラを支援するための低金利政策」だが、もっと恩恵を受けたのは実は政府だった。ゼロ金利の国債を無尽蔵に発行することができた。それを銀行に一旦引き受けさせたうえで日銀が全部買い取るという、本来は禁じ手い言われるきわどいことをやったのである。その結果現在は日銀が発行済み国債を約500兆円以上保有している。こうなると、市場で長期金利が上がると日銀が保有している国債は時価が下がり損失を抱え込むことになる。だから何が何でも10年国債の利率は0%に据え置かなくてはならないという異常な状態になってしまった。そこで日銀は公社債市場に介入して、10年国債が売りに出されると、市場価格が下がり、金利が上昇してしまうため、日銀はあえて市場より高い価格で国債をことごとく買い上げて市場金利が上がらないように防衛していたのだ。その結果、日本の公社債市場ではなぜか10年ものだけが0%に固定されて、それより短い5年とかの方が金利が高いといういびつな金利になっていた。これを解除するには容易ではない。無下に解除したら市場金利が上昇して日銀は債務超過になりかねないからである。これは政治が金融市場に過度に介入して数字をいじりすぎたのが原因です。
今回解除して大丈夫なのか? 私が思うには全然大丈夫ではない。だからマイナス金利政策は解除するが、金融緩和的な運用は維持するという、一見矛盾した内容のことを発言している。つまり金利上昇には神経質であるということ。だから金利はそれほど上がらないと思う。果たして19日に日銀の植田総裁はどのように声明するのだろうか、注目したい。
