最近ニュースで東京都心部(23区)の賃貸マンションの家賃が上昇していると伝えています。ある調査によれば1年前より10%近く値上がりしているという。なぜ急に値上がりしているのかと言うと、これが思わず「なるほど」と頷いてしまうのです。
もともと分譲マンションの方は海外投資家が円安のメリットを活かして爆買いしているのは知っていましたが、今度のは海外投資家ではなく日本人の住宅事情の変化がもたらしているようです。
以前、新型コロナの蔓延で会社が在宅勤務を奨励したことにより、都心を離れて郊外に移り住む人が増えました。ところが昨年の5月に新型コロナが「5類」に移行したことで、出社の機会が増え、そのため再び都心へ回帰する人が増えてきたのです。その結果、職場に近い都心の賃貸マンションの需要が再び強まりました。ところが今回はそれだけの理由ではないようです。
物価高と人件費の高騰により分譲マンションの価格が一層値上がりし、都心の分譲マンションでは1戸あたり平均1億1561万円。
中古マンションでも1億円越えは珍しくありません。そのため、マイホームを求める層が分譲マンションの購入を諦めてしまい、とりあえず賃貸マンションにシフトしているようなのです。
更に皮肉なことに、大企業を中心に賃上げが進み、夫婦で共働きしている家庭では家賃の負担能力が増しているため、賃貸マンションの貸し手側も強気の相場で家賃を設定する。
こんな調子なので、当分この傾向は続くと言っています。
これはヤバいと思います。分譲も賃貸も上昇していくと、若い世代が住宅難に陥ってしまう。ただし、都心を諦めて千葉とか埼玉とかの郊外に行けばいいのだと思ったんですが、実は都心ではなくても船橋、柏、さいたま市なども既にかなり値上がりしているとのこと。
実は私は35年前にバブルによる不動産価格の高騰で東京都を追われ、さいたま市(当時は大宮市)に逃れてきて、今のマンションを買ったのです。あの時と似たような現象が進行しているとしたら、これは不動産バブルの再来になると思います。まだ金利も安いですしね。
やはり、歴史は繰り返すのでしょうか?