かなり昔の話ですが、佐藤栄作という総理大臣が退任するにあたり、その記者会見の模様がテレビで放送されていました。私は、夕方頃に学校から帰って家のテレビをつけたら、正にそのシーンでした。すると突然佐藤総理は「記者たち諸君!ここから退出してください。私はテレビカメラとだけ向き合って会見しますから。君たちは私の言ったことを正確伝えてくれないじゃないか」そう言って記者たちを部屋から追い出すと言う前代未聞の事態が起こったのです。
これはどういうことかと言うと、マスコミは佐藤総理が話す内容の一部分だけを誇張して記事にするから、時には話したことが正しく報道されていないのだと言うことなのです。
この傾向は今も根強く残っています。記者たちは、たとえ事実とは異なっていても、金になりそうな話に仕上げて報道したがるという。だからテレビで伝えている内容は実は正しくないかもしれないと思ってしまう。
人間は情報に弱い生き物。情報にいとも簡単に操られてしまう。それゆえテレビの功罪は大きい。
