バフェット氏の指摘に共感する | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

世界的に有名な投資家バフェット氏が日本株に追加投資すると表明したことに関する日経新聞の記事「投資の神様バフェット氏、日本に喝 92歳の貪欲見習え(2023.4.12)」を読んだ。その中のいくつかの言葉に私は強く共感しました。

 

「企業がアニマルスピリッツを失えば死滅する」と警告

 

その点で見劣りするのが日本企業だ。世界の上場企業の研究開発投資に占める日本企業の比率は06年、21%を占めていた。15年後の21年はわずか10%だ。設備投資の比率も同期間に11%から8%に低下した。これでは世界で戦えない。

 

野心が衰えた日本企業は現金をためた。時価総額に対する手元資金は22年、米欧企業の7%台に対して26%に及ぶ。成長にどう使うのか。

 

正にそのとおりです。

私も同じことを強く感じています。日本の大企業はリスクを恐れて何も新しいことをしていない。

30年以上も前のバブル崩壊で苦しんだことがトラウマになっているのか、経営者たちは新しいことには手を出さない方が無難だと言う保守的な姿勢が依然として強い。その代わりに利益を貯めこむことに執心していて、従業員の賃金すらも30年間引き上げていないという呆れた経営だ。私はこれこそが日本が不況から未だに脱出できない最大の理由だと思います。

 

先日、やっと退任した日銀の黒田総裁はこの片棒を担いだ張本人だと言わせてもらう。つまりアベノミクスがこういう状態を作り出してしまったのだと思う。企業が何もしなくても潰れないようにしていたのだ。これではデフレが終わらないのも無理もない。黒田総裁は「これで日本はデフレから脱出したのだから私のやってきたことは正しかった」と記者会見で言ってましたが、それは違います。デフレが終わったように見えるのは、新型コロナウィルスやウクライナ戦争の影響で、海外から物価高の大波が押し寄せてきたからであり、決して景気が回復したわけではない。黒田総裁の詭弁だ。

 

こんなことは私だけではなく多くの日本人は分かっているはず、なのにマスコミまでもが一切口をつぐんで問題視して来なかった。なぜか? 政府が報道を監視していたからだ。高市氏が今回野党から糾弾されたのはこういう背景もある。岸田総理は「脱アベノミクス」を進めているように見えるが、企業の姿勢にも喝を入れてもらいたい。そうしないと根本的に解決しない。春闘の賃上げ5%では実質賃金は増えていない。この先さらに物価が上がることは確実であり、むしろ実質的には賃金は下がる。こんな茶番でいいのだろうか。

 

例えば、国産ジェット機の開発断念、国産ロケットH3の度重なる打ち上げ失敗、国産半導体企業の相次ぐ経営破綻など、情けないくらいに日本企業の技術力低下を世界に露呈している。もっと真剣に取り組まないとだめだ。このことを一人のジジイのぼやきにしないでほしい。