今、アメリカの銀行に加えてスイスの大銀行まで経営危機に陥っています。日本では他人事のように報じていますが、大丈夫なのでしょうか。今日たまたま見た映画「マネーショート華麗なる大逆転」は2008年のリーマンショックの背景を描いたドキュメンタリータッチな映画でした。あの世界的な金融危機で日本も大きな打撃を受けました。それでこの映画では何が原因だったのかを詳細に再現しています。詳しいことはネタバレになるのでここでは書きませんが、要するに景気が良くてバブル状態になると、人は周りから何を言われても「ヨッシャ! ヨッシャ! 」と踊ってしまい、何も聞く耳を持たなくなるということなのです。2008年より前からアメリカの不動産市場はバブルに陥っていて、住宅ローン債権がデフォルト(債務不履行)する懸念があると忠告していた人も少なからずいたのに、そういうサブプライムローンを組み込んだモーゲージ債を高値で売買し大手銀行や大手投資銀行は大儲けしていた。みんな「そんな心配はない」と無視していました。特に投資銀行はブローカーなので投資家の売買手数料が目当てでしたから、価格が上がろうが暴落しようが自分たちには関係がない。とにかく大口の取引を積み上げることしか眼中になかった。しかも格付け機関までもがそのモーゲージ債に高い格付けをしていました。
まあこれが真実なんだろうな、と私は思います。お金というものは、とても便利なものですが、それだけでも金儲けができることが欠点でもあります。前記しましたように、お金の売買が引き起こしたトラブルでリーマンショックが発生しました。別に高価なものを失くしたとか、壊したとかいう話ではないのです。物やサービスを買うために代金としてお金を払うのであればもう少しシンプルにリスクを把握できるのですが、金融商品、特にデリバティブ系の金融商品は複雑で分かりにくい。もう完全に我々人の暮らしからは乖離したものになってしまった。
