私は、NHKの「朝ドラ」というのは主人公の人生をたどりながら、その生きざまに焦点を当てて描くドラマだと思っています。今回の主人公は舞ちゃん。子供のころから飛行機に憧れて、いつかは自分も空を飛びたいという願いを持っていました。それが大学時代の人力飛行機で実現し、更に航空学校に行って本格的なパイロットの勉強をしてパイロットの資格も取得。そのまま航空会社に採用内定し、いよいよ職業としてのパイロットになる!!と思いきや、父の急死で実家の工場が経営難になり、社長を継いだ母をサポートするためにパイロットの道を断念してしまった。このあたりからこのドラマの筋書きがガラリと変わる。舞ちゃんは、中小企業の町 東大阪に現れたジャンヌダルクへと変身する。そして現在それが進行中だ。
ちょっと待った!!! なんでやねん。実家のIWAKURAが再建し、お兄ちゃんが戻ってきたところで、舞ちゃんはお兄ちゃんにバトンタッチして再び空をめざすんとちゃうんかい!!!
こう考えた視聴者は私だけではないと思う。昨日の回ではコンネクト社が軌道に乗りめでたしめでたしのムードに包まれていました。あと3週間15回の間にどう展開するのでしょうか? このまま東大阪のジャンヌダルクで終わるのだけは勘弁してほしい。前半の航空学校までの話が全く無駄になる。
現実にはそういう人生もあるだろうけど、ドラマとして描く以上はそれはおかしい。前作の「ちむどんどん」でも、最後に沖縄に帰って沖縄料理の店を出して終わるのだけど、結局、東京に行ってイタリア料理のシェフになるために苦労したという部分が、その後の展開には全く意味をなさなかった。このままでは同じことになる。複数の脚本家がリレーして書くとこういうことになるのか?
それじゃあ、最初は「優しい赤ずきんちゃん」その後「ひねた赤ずきんちゃん」そして最後に「無口な赤ずきんちゃん」が順番に登場して、これが「赤ずきんちゃん」です、と言われても視聴者は困惑してしまうでしょ。
たとえば、舞ちゃんが久留実ちゃんと長崎に行ってドクターヘリの操縦士になる。ある日、五島のおばあちゃんが急病で、舞ちゃんは久留実ちゃんと一緒に五島に飛び、おばあちゃんを救うとか、なんかそういう展開にならないものか。
