日本の経営者のこと | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

先日、ビジネス現代に経済評論家の加谷珪一氏が「日本経済が低迷しているのは「経営者がぬるま湯につかっているから」という“身も蓋もない現実”」と題するレポートを書いていました。

私はこの意見に全く同感です。今の日本経済が少しも良くならない最大の原因は、企業にやる気が無いからです。ちょっと周りを見回してみれば誰でもわかると思いますが、メイドインジャパンの新製品や新技術というものが、何も出てこない。30年以上前のバブル経済崩壊以降、リストラに明け暮れている経営者たちは、リスクが怖くて新しいことには一切手を出さない。また、半導体のように価格変動が大きいものは利が薄いという理由で手放してしまう。要するになにもしていないも同然です。これは実は大変致命的なことです。アベノミクスでは、企業の投資を増やそうとしてゼロ金利政策を中心とする異次元の金融緩和策を取ってきたが、結局は企業が働かないからゼロ金利なんて関係なかった。相変わらず景気は悪い。

ところが最近の物価上昇で企業は賃金を上げざるを得なくなった。私の思うところ、日本の賃金水準は欧米の半分。中国や東南アジアの新興国よりも低い。だから円安になるのだ。東南アジアなどからの観光客が「日本は何でも安いですね」といって喜ぶのはその表れなのだ。物が売れて良いじゃないかと喜んでいる様では、日本の明日は無い。

大企業はいっぱいお金を持っています。だからこれを維持していれば潰れることは無い。ならばリスクをとって新しいことなどしない方が無難だと思っている。今回の賃上げだってやろうと思えばできる。今年の春闘では賃上げ率が5%ぐらいだと言っているが、何の根拠もない。政府や日銀が発表する物価上昇率はなぜかとても低い。2%そこそこだ。しかし実際の物価は10%以上は確実に上がっている。5%の賃上げでは実質的には給料が減ったも同然。私は賃上げ要求率は最低でも10%以上、できれば過去30年間分の賃上げ棚上げ分を加味して、30%は要求してもいいと思う。そう言う対応が出来ない企業は今後人材を失います。しかし、どうしてマスコミはこういう議論をしないのか? 

安倍内閣以来、菅内閣でもそうでしたが、政府がマスコミへの圧力を掛け過ぎている。これではロシアのプーチンと同じだ。