舞ちゃんはすっかり「中小企業の味方」になっています。オープンファクトリーの成功に気を良くした勢いが止まりません。でも、中小企業を取り巻く厳しい現実に対しては、本質的な解決策ではありません。日本の中小企業は基本的に大企業あっての中小企業として存在しています。だから大企業からの注文が減ったり、単価を切り下げられたら苦しいのです。特にバブル崩壊以降は、大企業のリストラの影響からコスト削減の嵐が吹き荒れています。大企業からすれば、下請けの1社が潰れたとしても、代わりの下請け企業はいくらでもある、というスタンスなのです。つまりひとつの部品のような扱いです。
私は日本の中小企業が強く生き抜くためには、「唯一の技術」を持つことだと思います。「これだけは他の企業では絶対に作れない」という技術を持つことだと思うのです。工員さんは職人としての腕前を上げることです。地味なように見えるかもしれないけれど、これが一番の強みです。
話は朝ドラの舞ちゃんに戻しますが、結局、「舞いあがれ」というタイトルは飛行機のことじゃなかったのでしょうか? 大学で人力飛行機を操縦したり、航空学校でパイロットの実習を受けてライセンスを取得したりしていた前半のストーリーは、その後の展開につながっていません。半年間もの連続ドラマなのに展開がよく分かりません。迷作「ちむどんどん」みたいなことにはしないでほしい。
