私は地図が好きで、高校時代の勉強では地理だけは誰にも負けない自信がありました。高校では地理Bを選択しました。地理Bというのは人文地理といって、自然の地形や地域の特性と人間社会とのかかわりを学ぶもの。わたしはそれが面白くてしょうがなかった。私の高校には「地理の名物先生」がいて、この先生の授業が滅法面白かったのも大きい。
最近私は、世界地図を見ていて、改めて発見したことがあります。それは、日本列島の位置です。日本の教科書や資料で見る世界地図は全部日本列島がほぼ真ん中に来るようにレイアウトされています。これを見る限りは何の疑問もわいてきませんが、例えばアメリカの世界地図を見るとどうでしょう。
先日私はふとしたことから、子供の頃に夢中になって見ていたテレビ番組「ナポレオンソロ」を思い出し、YouTubeを探して見ていました。ナポレオン・ソロ(ロバート・ボーン)とイリア・クリアキン(デイビット・マッカラム)の二人が活躍するスパイ映画です。この番組の冒頭に流れるテーマ曲のタイトル画面にこの二人の秘密情報部員が所属する組織「U.N.C.L.E.」のマークの世界地図が画面いっぱいに映し出されます。私はこれを見て衝撃をうけました。当然アメリカが真ん中に来るように世界地図が描かれているのですが、そこには日本がありません! 多分この地図の左上の方に日本があるはずですが、端っこ過ぎて地図からはみ出したのでしょうか。
そうなのです、日本は極東と言われますね、英語ではFar East。これは欧米から見て、東の遠いところにある地域という意味です。「端っこ」「隅っこ」・・・ですよ。考えてみれば西側には中国や北朝鮮、ロシアなど危険な国ばかりで、反対側の東側には何もない。広大な太平洋があるだけ。こんな地域が世界の人たちから注目を浴びるためには何か発信しなくてはならない。高い工業技術力とか、教育レベルだとか、歴史的遺産だとか、黙っていたら世界の関心から外されてしまうのです。世界的な視野に立つというのは、ある意味こういうことも考慮すべきなのではないでしょうか?

