円安対策に頭を抱える財務省は、先週の金曜日の深夜に大規模なドル売り・円買いの為替介入をやったと思ったら、週明けの今日もまた、朝っぱらから大規模なドル売り・円買いの為替介入を実施したようです。そして今も神経質な反応を続けていて、どうやら1ドル150円台に突入するのをなんとしても阻止したいという意図がありありと伺えます。
確かに為替介入直後は短時間で4円ぐらいの幅で円高に振れますが、少しずつ円安に押し戻されていき、気が付くとまた、1ドル149円台をウロチョロします。まるでモグラ叩きゲームをしていように見えます。
ドル売り・円買いの為替介入というのは、政府が保有している米国債を売却し、そのお金で為替市場で円を買っているわけです。これを毎回何兆円という規模でバッコンバッコンとやれば、さぞかし気持ちがいいでしょうね。「俺たちが世界のマーケットを動かしているぞ」みたいな錯覚を覚えて、陶酔しているのではないでしょうか。
しかし、日本が保有している米国債は無尽蔵にあるわけではない。神田財務官は「原資は無限にある」と言っていたけど、そんなはずは無い。
第一、こんなことを繰り返しても根本的に円安が解消するわけがない。円安というのは、いわばお金が日本から逃げていくようなもの。日本の経済、財政がヤバイと感じるから、みんな逃げていく。
これと良く似た事態に陥っているのがイギリス。トラス新首相が「大型減税をする」と言ったとたんに、イギリスはヤバイと感じてお金がイギリスから一斉に逃げ出した。結局トラス首相は責任を取って辞任しました。
日本の為替介入は、いわば「悪あがき」のようなものではないだろうか。
