日本の企業が復活しない理由 | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

バブル崩壊以降、既に30年以上もの長い期間が経過しましたが、日本の景気は一向に回復する兆しがありません。私は経済学者ではありませんし、中央の官僚でもありませんので、専門的な分析をしたわけではありませんが、この国で生計を立てて暮らしている者として一言申し上げたい。

 

日本の企業、特にかつて隆盛を極めていた企業の多くは苦しいリストラを経験して生き延びていることは事実ですが、目指しているものが変わってしまったのではないかと思います。

昔は、世界に誇る経済大国をけん引している企業としてのプライドを胸に、「よりいいものを作る」「画期的な発明をする」「驚くようなパフォーマンスを発揮する」そういう商品やサービスを競って作り上げて、世の中に発表していたはず。例えば、自動車、家電、ゲーム機、携帯電話など。

それが最近では、「利益が出るもの」しか作らない、「リスクの大きいことはしない」という消極的な方針に凝り固まっているように見えます。その典型が携帯電話(スマホ)でしょう。かつては「iモード」という画期的な技術で世間をあっと言わせました。インターネットが携帯電話でできるということは夢の様でした。そこにカメラを加えて、音楽プレーヤーも搭載して、現在の「スマホ」の一歩手前まで来ていたのに、世界制覇ができなかった。その理由は、技術を公開せずにドコモが独占しつづけたことと、あまりにドコモ流の独善的なシステムだったことが足かせとなり、海外で導入する動きが起きなかったからと言われています。その結果、日本の企業は競争が激しい携帯電話やスマホの市場から撤退してしまった。その後、アメリカのアップル社はiPhone を発表し大成功する。この違いはどこにあるのでしょう。日本企業の「利益を独占する」というやり方よりも、「よりいいものを作ろう」とするやり方の方が勝ったということかもしれません。アップル社は結局、圧倒的なシェアを確保し、莫大な収益も獲得してしまいました。

 

こんな状況をいつまでも指をくわえてボーと眺めてばかりいる日本の企業と政界に私は言いたい。

今こそ日本は産官学が一体となって「よりいいものを作る」という目標を立て、そこに人、モノ、金を惜しまずに投入するべきだ。

勝負しない経営者を企業家とは呼べない。企業家は目標の達成に努力する。株主と消費者はそこに厳しい目を向けるべきだ

政治家は選挙のことばかり心配していてはろくな仕事も出来ない。企業の活動しやすい環境、インフラを整備することに力を入れてもらいたい。